プラントエンジニアはやめとけ?経歴10年の私がメリットも含め解説

「プラントエンジニアってやめておいたほうがいいの?」「既にプラントエンジニアとして働いているけど、正直辞めたい。」と思われている方も多いのではないでしょうか?

結論からいうと、残業・出張・調整業務や責任の重さに強いストレスを感じる人にはやめとけ寄りの仕事です。一方で、大規模プロジェクトのやりがいや高めの年収水準を重視できる人には向いている面もあります。

「今の会社だけがきついのか」「プラントエンジニアという働き方自体が合わないのか」で取れる選択肢は変わります。本記事では、プラントエンジニア歴10年の経験者として、激務と言われる理由や対処法、続ける場合のメリットまでを順に解説していきます。

目次

プラントエンジニアをやめておくべき激務の理由

プラントエンジニア歴10年の私が、激務の理由について解説していきます。

残業ゼロは難しい

過去10年プラントエンジニアとして働いてきて、残業ゼロの月は新入社員の頃くらいでした。

一つの大きなプロジェクトに長期間従事するので、進行状況によっては多くの残業が発生します。

トラブルが発生した際には、解決するまで帰宅ができなかった経験もしばしば……。

編集部

閑散期であればゼロの月もありますが、現場感覚では少なめです。

出張や異動が多い

勤め先にもよりますが、頻繁に出張や異動を伴うことが一般的である認識が必要です。

工場、プラントの建設・運用・保守などに携わるため、施設がある場所に足を運ぶ必要があり、海外への出張や異動も少なくありません。

独身でいろんな場所に行くのが好きな人には向いていますが、家庭を持っている人にとっては負担に感じやすいのが実情です。

編集部

業務自体は好きだったものの、異動を機に転職を選んだ知人もいました。

必要書類が多い

多くの書類を作成から管理までする必要があります。

大規模なプラントや工場の運営にかかわるため、細部に至るまで厳密な記録と管理が求められます。

プロジェクトの透明性、法令順守、安全性を確保するためには重要な一部である反面、その膨大な量に抵抗がある方には不向きです。

編集部

机上業務の残業が多すぎます…

調整能力が必要

プラントエンジニアは設計者、施工者、保守管理者、製造現場のオペレーター、関連部門のメンバーなどと報連相を行い、仕事を円滑に進める必要があります。

プラントの設計、建設、運用において重要な役割を果たすプラントエンジニアは、この調整能力がないと正直厳しいです。

私の周囲でも、調整面の負担を理由に退職を選ぶ人がいました。

編集部

慣れや経験で改善する部分も多いですが、短期で解消しにくいスキルです。

折衝能力が必要

複数の関係者間で意見や利益が異なる場合でも最善の結果を引き出すための重要なスキルです。

折衝は、プロジェクトの予算、スケジュール、品質、安全性などの重要な要素に影響を及ぼします。

ただし折衝能力を身につけるためには経験が必要不可欠で、その経験を積む間に他の要因で退職する人もいるのが現実です。

休日・振替出勤がある

設備の故障や予期せぬ問題、定期的なメンテナンス工事など、休日や夜間に対応を必要とする機会が非常に多いです。

特に定期的なメンテナンス工事は、工期が設けられるため、休日も出勤をして作業を行わないと間に合わないため、休日出勤を強いられます。

編集部

工事中に休日出勤をしない月は今まで未経験です…

関係法規などが非常に多い

プラントエンジニアは、エネルギー生産、製造、化学反応などを扱う極めて専門的な分野であり、人々の生活と環境に大きな影響を与える可能性があります。

そのため、国や地域社会は活動を規制する法律や規則を定めており、プラントエンジニアはそれらを理解しておく必要があります。

  • 消防法
  • 建築基準法
  • 電気事業法
  • 労働安全衛生法・労働安全衛生規則
  • 化管法(化学物質排出把握管理促進法)などの化学物質関連法規

あくまでこれらは一例であり、対象プラントによっては他にも多くの法令遵守が求められ、関連書類も多岐にわたるため、理解と遵守が必要不可欠です。

コミュニケーション能力が必要

調整能力と共に必要となるのがコミュニケーション能力です。仕事の話だけでなくプライベートな話題も含めて関係者と関係を築けると、自分も働きやすい環境へと変化していきます。

一方で、話すことが苦手だったり緊張で話しづらいことを理由にコミュニケーションを取りづらく、孤立感を抱えてしまう人も私の周囲には少なくありませんでした。

技術的な知識やスキルだけでなく効果的なコミュニケーション能力も求められるため、両立が難しい職種です。

編集部

コミュニケーションは一番必要とされる能力です

専門的な知識と技術が要求される

経験を積めば積むほど自分への責任の重さは増え、それと比例して専門的な知識と技術を要求されます。

つまり自分が学び続けないと、年を重ねた時に「そんなことも知らないの?」と言われてしまう場面も出てきます。

実際、私も一緒に仕事をした先輩が私よりも知識不足だったときには、こうはなりたくないと感じるほどにプレッシャーを感じました……。

仕事の規模が大きく責任感が重要

設備の設計、建設、保守には多額の費用が掛かり、失敗した時には企業の生産能力、利益、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。

プロジェクトの初期から完了まで、日々の運用とメンテナンスを含めて常に責任感と隣り合わせな環境で仕事をする必要があるため、強いプレッシャーから心身に不調をきたす人もいるのが現実です。

不眠や食欲低下、出勤前の強い不安などが続くときは、産業医や社内の相談窓口、医療機関への相談も検討してください。無理に耐え続けるよりも、部署異動・業務調整・転職といった選択肢を早めに持っておくことが、長く働き続けるうえで大切です。

激務に悩んだらやるべきこと

激務に悩み、その人たちが次に取った行動を見てきた私が2点紹介します。

誰もが頭では考えるテーマですが、実際に動き始める人は意外と少ないのが私が見てきた印象です。

より好条件な同業他社への転職

激務に耐えきれず退職を選ぶ人もいるプラントエンジニアですが、その負担は働く場所や環境によって大きく変わります。今の会社が厳しくても、より好条件な同業他社へ転職することで、業務負担が大きく軽くなるケースもあります。

「環境は変えたいけれど職種は変えたくない」と私と同じ気持ちをお持ちの方は、早めに選択肢だけでも確認しておくのがおすすめです。

転職活動には時間もかかるので、今のうちから求人を眺めるだけでもしておくと、いざ本当に転職せざるを得ない状況になったときに有利に動けます。

編集部

転職活動でバタバタするのはよくありません!
余裕を持った行動ができるようにしましょう。

全く別の業種へ転職する

同業他社へ転職しても、また同じ激務だったら……と考える方もいるはずです。

そういう方は思い切ってプラントエンジニアを離れ、全く別のことにチャレンジしてみるのも一つの選択肢です。

実際、同業他社へ移ってみたら前職よりも条件が悪く、すぐに退職してしまった同僚もいました。無理に同業他社へ転職するのではなく、自分が興味を持っている別の業種へ飛び込むのも有力な手段です。

プラントエンジニアとは何か

プラントエンジニアとは、企業や職場によって様々ですが、多岐にわたる技術的なスキルと知識を持ち、プラントの設計から運用、保守、管理、改善までを行う専門職です。

その役割は、業種によって異なりますが、どの企業や職場でも共通して設備の安全性と効率性を追求する点においては一貫しています。

重要な3つの仕事内容

では、プラントエンジニアの重要な3つの仕事内容(EPC)について紹介していきます。

E:Engineering(設計)

設計能力は、新たなプラントの建設や既存プラントの改善において欠かせない要素です。プラントエンジニアは最適な構成・方法を設計する役割を担い、結果的にプラントの安全性や性能を確保します。

作業には、安全性・効率性・持続可能性・コスト効率を考慮した判断が求められ、専門的な知識や技術が必要です。その設計は、後のプラントの運用にも直接影響を与えます。

例えば化学プラントでは、化学反応のプロセス設計にあたり、反応の種類・使用する設備・材料の流れ・安全性に関する各種パラメーターを考慮します。法規制への準拠や最新技術の導入も求められます。

P:Procurement (調達・製作)

プラント設計後に必要になるのが、材料や機器・サービスを適切な仕様・価格・時間枠で調達する工程です。プラントエンジニアはこの調達面でも中心的な役割を担います。

ここでの判断が雑になると、プラントの性能・安全性・コスト効率に大きく影響します。契約交渉や供給業者との関係管理といったスキルも求められる工程です。

正確な判断と適切な交渉によって、プラントの性能・安全性・コスト効率が保たれます。

C:Construction(建設)

設計と調達が完了した後、具体的な建設工程を管理し、プロジェクトの予算とスケジュールを進行させながら、安全・品質の基準を満たすことが求められます。

会社や案件によっては、建設後の試運転や性能確認まで一貫して関わるケースもあり、プラントが設計通りに機能するかをチェックします。

プラントエンジニアはこれら一連の工程を無事に終えて初めて1つのプロジェクトが完了し、重い責任感から一時的に解放されます。

プラントエンジニアのメリット・やりがい

プラントエンジニアは激務ではありますが、全くメリットややりがいが無いわけではありません。

それらについて紹介していきます。

仕事自体にやりがいはある

激務である反面、具体的な成果を目の当たりにする瞬間や、難しい課題を乗り越えた時には、他の職業では得難い手応えがあります。プロジェクト全体の設計から完成、運用・メンテナンスまでの流れを一貫して関わることも多いです。

プラントが自分たちの手で形になっていく過程を見て、完成したときの感動は何年経っても変わらず味わうことができます。

やり切ったときには自分のスキルもより向上し、次のプロジェクトにつなげることができるため、より大きな達成感を味わうための原動力になります。

高い年収は望める

プラントエンジニアは、その専門性と求められるスキルセットのため、一般的には比較的高い年収を狙いやすい職種です。

知識、技術、経験が必要とされるため市場での需要も底堅く、大規模プロジェクトの成功に直結するポジションには相応の給与が支払われる傾向があります。

特に経験を積んでから転職する場合は給与水準が大きく上がるケースもあり、企業規模・担当領域・残業時間・海外案件の有無などによって差が出ます。

編集部

個人差はありますが、転職で給与が大きく上がる人もいます。

マネジメントスキルを身につけることができる

幅広い分野のプロジェクトの管理と調整を行うため、マネジメントスキルを獲得する絶好の機会になります。一つのプロジェクトの全フェーズ(設計・調達・建設)を監督し、各フェーズの流れをスムーズにつなぐ役割を担うからです。

顧客とのコミュニケーション、スケジュールと予算の管理、問題解決のための戦略的思考など、幅広いマネジメントスキルが要求されます。

こうした経験を通じて、プロジェクト全体を動かす責任者としてのマネジメント力を、日々の業務のなかで磨くことができます。

まとめ

経歴10年の立場から、プラントエンジニアのやめておくべき激務の理由と、その中でも感じてきたメリットやおすすめできる側面について解説しました。

メリット
やりがい
  • 高い年収が望める
  • マネジメントスキルがつく
  • コミュニケーション能力向上
  • 仕事のレベルが高い
  • 頼られると楽しくなる
  • 苦労した経験が評価につながることがある

特にプラントエンジニアとして既に働き、激務に追われている方は、転職も視野に入れ、キャリアアップを目指してみることを経験者としておすすめします。

いざ転職を決めた時に比較検討の時間が足りず、ミスマッチにつながるケースもあるので、常日頃から転職サイトの求人を眺めて希望条件の相場感を把握しておくだけでも、判断しやすくなります。

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